血の力
私はコーヒーが苦手でした。
小さいころからずっと。
においを嗅いだだけでも気分が悪くなり、ひどい時には、吐き気さえもよおし、横になるほどでした。
33歳の時
3子目を出産しました。
3子目でわかったヘルプ症候群。致死率が高いこの妊婦の病により、かなり危険な状態でした。
切羽詰まったそんな中、医療従事者の主人が速攻、血液提供をかって出てくれました。
血が濃く多い彼は、800ccもの血を私に分けてくれました。
(元々血が多くなく献血さえできなかった私なら死んでたかも・・(笑)の量です。)
”もっと とってください”という夫を、さすがに先生も止められたそうです。
その後からです。
珈琲の匂いがアロマのような香りに変化し、美味しいと感じるように
なったのは。
喫茶店に入った時に必ず香るコーヒーの香り。
あんなに心地悪かったのに、ふぁ~っと温泉に入った時のため息にも似た安堵感を味わえるようになっていました。
至福の時。
至福を味わえることが1つ増えました。
その分人生が豊かになった氣がします。
主人の念願だった喫茶店巡りも二人で出来るようになりました。
今では共通の楽しみになっています。趣味ともいえるかもしれません。
もちろん飲んでも吐き気をもよおしません。
美味しいと感じるのです。
そして当時コーヒー教室にまで通い学びを深めたのでした。
以前の私には到底考えられないこと。
そして教室の先生に私の好きのコーヒーと主人の好きなコーヒーは同じ系統だと言われました。
先生曰く、男性的なコーヒーが私たちの好み。
これは、まさしく主人の遺伝子?細胞?が影響しているとしか思えません。
(元々男性的じゃないか!!と突っ込みたくなった人もいるかも知れません(;^_^A)
血が体に与える影響はすごく大きいことを実感しました。
好みや感覚、性格、体質まで変化させるのですね。
そうして今日も朝の1杯を丁寧に手動で豆を挽き、手淹れして朝の時間をホッと満喫します。
手を入れることはエネルギーを増します。
美味しさが深まります。
飲み終えたら、今日の始動開始!!私にとってのリセットの1杯です。
私の中で私を支えてくれている主人の命の一部に感謝します。
だから私は今日も元氣に生きているのですから。